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チャートI

チャート壱

チャート壱

こちらは二酸化ケイ素が豊富という意味でかなり上質なチャートです。

しかも色が真ん中あたりでくっきりあずき色とうす緑色と分かれている点も興味深いところです。 チャートの色には、放散虫が堆積した時代における環境が影響するといわれます。

酸素が豊富だった時代の堆積は赤っぽく、そして多くの生物が絶滅し酸素が少なくなった時代の堆積は灰色から緑色の暗い色合いになるといわれます。 その説が本当だとすると、あずき色の部分は生物が繁栄していた時代、うす緑色の部分は生物が絶滅した時代を表していることになります。

そしてうす緑色の部分の拡大写真を見てください:

チャート壱

色が層状になっているのが分るでしょうか? チャートは二酸化ケイ素を含有する放散虫などの殻や骨片が堆積したものといわれますが、この層状になった部分が、チャートが堆積してできたことを示しているという訳です。

また、放散虫の大きさは0.1mm~0.3mといわれ、1mm堆積するのに約1000年が必要だといわれます。 この層状の縞模様ひとつで、いったい何千年の歴史となるのか、考えるだけで不思議な気持ちに捕らわれます。

このチャートはそういった考えを抱かせてくれる魅力的な一石だと思います。

そして次の写真を見てください:

チャート壱

二酸化ケイ素が豊富で質がよい証拠に光と透過します。

チャートはありふれた石ですが、ここまで質の良いチャートはそうそうあるものではないと思います。

チャート弐

こちらのチャートは色の混ざり具合が特徴的なチャートです。

赤字に絵の具を流したかのような黄色と白色の帯が特徴的です。

チャート弐

こちらの石は色が赤、黄、白色と色の種類が豊富なのと、色が比較的はっきりしているので碧玉かな?とも思ったのですが、それでも色合いがぼやっとしているのでチャートだと思う一石となります。

裏側の写真を見ると、ぼやっとした感じがよくわかるかと思います:

チャート弐

それでも表側のこの黄色の入り方はチャートとしては珍しいと思います。

チャート弐

全体的な雰囲気として力強さと激しさ、そしてほんの少しおどろおどろしさを持ち合わせた、これも魅力的なチャートです。

チャート参

チャート参

こちらのチャートは、チャートの層状の雰囲気がよくわかることから掲載してみました。

このようなタイプの石は時々見掛けるのですが、チャートが堆積岩の一種であることがよく分かる標本的な一石です。

初めて見た時は、層状の部分が木の年輪のように思え、ウッディジャスパーか珪代木かなとも思ったものでした。

チャート参

こちらはその隣にあったチャートです。

全体的に色合いがぼやっとしていますが、灰褐色に赤黒い色の混ざり具合が渋さを感じさせるなかなかよさそうなチャートでした。

チャート四

チャート四

こちらのチャート?は、碧玉のようでありながらチャートと思われるものです。

チャート四

色の混ざり具合と青黒色地に黄土色とあずき色の三色が入るところは碧玉のようですが、各々の色自体がチャートによくみられる色です。

チャート四

この硬質で透明感がある少しガラス質かと思わせる肌合いはチャートによくみられます。

チャート四

貝殻断口の割れ方自体は碧玉もチャートも似たような感じになるのですが、やはり透明感がある感じがチャートかなと思わせるところです。

この石の魅力は、三色入って独特な妖しい雰囲気から醸し出される存在感です。

個人的には薄っぺらくお米のような形がなかなか格好がよいなと感じます。

チャート五

チャート五

この石の魅力は何といっても黄土色と赤色がはっきりと分離していて存在感があるところ。

チャート五

拡大するとさらに色の差がはっきりしているのがよく分かるかと思います。

チャート五

別のところでは、赤色に半透明っぽい筋が入っているのがわかります。

この石は全体的な雰囲気からチャートと判断していますが、チャートにしては色の混ざり具合、赤と黄色の対比の感じが普通のチャートとは違っています。 おそらく一度チャートになったものが、珪酸が豊富なところで再変成したのではないかと思いますが、本当のところはよくわかりません。

ただ、チャートといえど、非常に碧玉に近いもの、色合いが素晴らしいもの、独特の雰囲気があるものなど、石好きを虜にさせる魅力があるものがあり、決して侮れないと個人的には考えています。

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