神居古潭石‐I
神居古潭石‐壱
こちらは神居古潭石の本真黒石です。小ぶりながら本真黒石ならではの茶色の斑と、側壁(写真でいうと前面)の質の高さによる艶が魅力です。
なぜ一面だけ異様に質がよいのか、不思議ではありますが、神居古潭石は油石と呼ばれ、乾いた布で軽く拭くだけでまるで油を塗ったかのような艶が愉しめるのが特徴です。
この神居古潭石の本真黒石は、質の高い一面を見るとよく分かるようにまるで油を塗ったかのような艶があります。
そして、上から見ると本真黒石ならではの茶色い斑がありますが、この斑の形がハートかキツネのようにみえるのもチャームポイントです。
神居古潭石‐弐
こちらも神居古潭石の本真黒石です。全体的な質の高さと茶色い斑の入り方、模様が素晴らしい逸品となります。
神居古潭石の本真黒石と真黒石の違いは、この茶色い斑の有無であり、斑のあるものを本真黒石、斑のないものを真黒石といいます。
神居古潭石においては、茶色い斑のある石の方が全体的な黒がより深く、漆黒となることから、斑は本真黒の証拠とみなされ喜ばれます。
この石については、特に茶色の斑がくっきりはっきりしているのと、その入り方がまるで滝のようにもみえるところが素晴らしいと思います。 さらに全体的な黒さ、しっとりとした質の良さ、これぞまさに本真黒石と言えるのではないかと思います。
この石は購入する際、「トロ黒マグロ神居古潭石」という名がつけられていました。 黒の艶と質が素晴らしいことから、真黒(マグロ)に掛けて「トロ」と呼ばれたものですが、洒落っ気があり面白いところです。
神居古潭石‐参
こちらは神居古潭石の真黒石です。こちらには茶色い斑がなく、本真黒石に比べやや黒色の感じが淡くなっているのが分かるかと思います。
この石の素晴らしいところはまず全体的に整った形、そしてひとつの石の中でうまくまとまっているところです。
そして裏側を見ると全体的な質の良さが分かるのですが、ガラス質のような緻密な肌合いとなっています。
神居古潭石は、蛇紋岩を含む変成岩と整理されますが、一部を切り取ってみると、チャートかガラスかと思うような質感が感じられます。
その辺りが、乾いた布で拭くだけで、しっとり油を塗ったような感じにさせる所以だと思いますが、まったくもって神居古潭石は不思議な石です。
神居古潭石‐四
こちらも神居古潭石の真黒石です。
こちらにも茶色い斑がなく、本真黒石に比べやや黒色の感じが淡くなっていることから本真黒石ではなく、真黒石となります。
こちらの石の素晴らしいところは、全体的に質がよくこじんまりとまとまり、清楚で凛とした雰囲気があるところです。
上から見る方がその良さが分かるかと思います。
全体的につるんっとしていて、きめが細かくしっとりした質感があります。 このように全体的に均一な神居古潭石というのもめずらしいところだと思います。
神居古潭石‐五
こちらは赤い神居古潭石です。赤い神居古潭石は赤古潭石や紅古潭石と呼ばれたりするようですが、いわゆる黒い神居古潭石とは石質的に異なる石です。
神居古潭からは、蛇紋岩にジャスパー(碧玉)、チャート、曹閃石など様々な鉱物が産することから、
神居古潭から産する赤い石というと必ずしも一様ではなく、ジャスパーだったりチャートに近いものがあったりする訳です。
話が前後しますが、「神居古潭石」と一言でいってもある特定の鉱物を指す訳ではく、神居古潭から産する石であればある意味どの石でも「神居古潭石」となりえる訳です。 そうは言っても、だいたいこんな感じといった範囲はある訳で、その範囲内に赤古潭石が入っている訳です。 (詳細は「神居古潭七石」を参照)
そして、赤古潭石と一言でいっても個差はあるものの、大枠ではジャスパーとチャートの中間(ジャスパーのものもあれば、チャートのものもある)と整理できると思います。
この石の場合、ゴツゴツした岩肌はチャートの気が強くでています。
一方で白い模様があるところ(おそらく石英の貫入)など、肌触りがとても滑らかで、珪酸分が豊富なジャスパーのようでもあります。
赤古潭石はジャスパーなのかチャートなのか…、このテーマだけで随分と奥が深くなりそうですが、この一石をみるところ、「チャート6割、ジャスパー4割」といった所でしょうか。
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