神居古潭石‐II
神居古潭石‐六
こちらも神居古潭から産した石ですが、ちょっと毛色が違っていて当初何の石か分からなかったものです。
これが神居古潭から見つかる、神居古潭7石のひとつである曹閃石かな?とも思っていたのですが、その後の調べでおそらく間違いであることが分かりました。
神居古潭から産する曹閃石について調べていくと、詳しいことは分からないものの、どうも「緑色または緑色に白が交差した石である」ということでこの石も緑っぽいところと白い石英質のところの明暗がはっきりしているので曹閃石かなぁと思った訳です。
一方で、曹閃石はリーベック閃石のことであり、石綿状になるとクロシドライト(青石綿)です。
クロシドライトに石英が染み込んで硬化したものが鷹目石(ホークスアイ)であり、クロシドライト特有の灰青色をしています。 また、これが酸化して黄金色から茶褐色の縞模様になったものが、あの有名な虎目石(タイガーズアイ)です。
この石の場合、白ではなく緑の濃い凹部のあたりをよく見ると、髪の毛にできる天使の輪のように、微細な繊維質を含むことによってできる独特の光の反射(シャトヤンシー効果)があるように思いました。
ただし、その後の調べでこの石は黒色片岩(こくしょくへんがん)ではないかと考えています。
黒色片岩は、石墨を多く含むため脂肪光沢があるといいます。また、石英・長石類に富む白い層と,石墨に富む黒い層が互い違いの縞になっていることが多いとも。
したがって天使の輪と思っていたものは、実は石墨による脂肪光沢ではないかと思うのです。
神居古潭の曹閃石については、新たに別のページをを作りましたのでそちらを参照ください:神居古潭の曹閃石について
神居古潭石‐七
こちらは神居古潭から産した石ですが、正直なところチャートのようであり、一部黄色いところが黄金神居古潭石かもしれないというよくわからない石です。
質の良い神居古潭石の真黒石はまるでガラス質でチャートのような個所がありますが、逆に考えるとこちらの石もチャートではないのかもしれません。
ただ珪酸分たっぷりのチャートのようにボコボコあいた穴の中には晶洞のように小さな石英の結晶のようなものもみられ、やっぱりチャートかもと考えるところです。
いずれにせよ、神居古潭からは様々な一風変わった石が産するということに間違いはないところです。
神居古潭石‐八
神居古潭石について各々の石のよさ、素晴らしさ、パワーストーン的な観点で紹介するのが本「ライフウィズストーンズ」、水石的な観点で紹介すのが別サイト「現代水石」だったはずなのですが、神居古潭石はそもそも水石から世に認知されたという背景があるため、ふたを開けてみれば、各々のサイトで紹介する内容がほぼ同じとなってしまい、ちょっと反省する今日この頃。
それでも神居古潭石‐七までに紹介した石々は、それはそれで素晴らしい石たちばかりですので、過去は振り返らずそのまま残すとして(おいっ、それでいいのか!?と言われそうな気もしつつ)、神居古潭石‐八からは初心に戻って水石ではない神居古潭から産する石にフォーカスしたいと思います。
さ、気を取り直して、こちらの石:
こちらの石は、神居古潭から産した謎の石です。
正直、よく分かりません。
全体的にいい具合に川擦れして丸くなっていますが、よい所よい所に見える導管っぽい穴や樹皮にちょっと似た模様から、木化石かとも思うのですが、そうではなく一度バラバラになったものが再変成したような模様のようでもあります。
全体的な薄緑色といい、はっきりいって何だかよく分かりません。
私は木が碧玉になったいわゆるウッディジャスパーである土岐石や、碧玉までには至らない珪化木など自採の経験もありますし、それらがどういったものか自分なりによくわかっているつもりですが、どうもこの神居古潭の石はそれらとは決定的に何かが違う気がします。
もしこれが木化石だとすると、どうも恐竜がいた頃の、我々が見たことのない巨大なシダ植物の樹皮のような模様です。 逆に、中部地方で私が慣れ親しんでいるウッディジャスパーや珪化木については、現存する樹木と大差ない印象を受けるので、神居古潭のこちらの石とは時代に大きな差があるのかもしれません。
試しに神居古潭の石と、中部地方の珪化木を並べてみます。
ちなみに左の石は、ただの木っぽく見えますが、れっきとした石です。
写真ではわからないと思いますが、重さがありますし(水に沈む)、珪酸が染みこんでできた石であるその証拠に光にかざすと透過します。
もし神居古潭の石が木化石だとした場合、普通の木っぽっくない感じが伝わりますでしょうか。
木化石じゃないのかなぁ…
「謎!」
神居古潭石‐九
こちらも神居古潭から産した石です。
が、これもどういった石なのかよくわかっていません。
大きな特徴は磁石がくっつくということ。
光の角度によってキラキラと雲母のようなものが見えたりするので、花崗岩のような感じもします。
花崗岩には磁鉄鉱を含むものもあるようですので、やっぱり花崗岩かな?とも思います。
話は変わりますが、神居古潭、石狩川周辺で磁石を落とすと磁石に砂鉄がくっつき四倍くらいのサイズになったという話を聞きました。
神居古潭周辺では、砂鉄が多いのかもしれません。
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