白山紋石‐I
白山紋石データ
石質: | 球顆流紋岩 |
石肌: | 緻密 |
肌触: | つるつる |
硬さ: | 硬い |
色: | 紫~赤の母岩に球顆が花の模様のように入る |
特記: | 流紋岩でSiO2の含有量が多いこともあり緻密。風化してない箇所はつるつる。研磨すると艶がよくでる |
白山紋石(はくさんもんせき)は、主に日本三霊山の一つである白山に源を発し北流する河川である手取川の支流、尾添川から見つかる紋石である。 同じく白山源流の大白川(庄川の支流)から産するものもあって、そちらは飛騨紋石と呼ばれる。 産する場所の違いにより模様など微妙な差があるらしいが、その差が分かるのは地元の愛石家ぐらいではないかと思う。
というのも、白山紋石はその模様から球顆流紋岩(きゅうかりゅうもんがん)と云われるが、 その実、詳しい調査研究がされぬまま今日まで至り、主に地元の愛石家を中心に収集、研磨加工、そして鑑賞されてきた経緯によるところが大きい。
とは言え、よくよく考えると、瀬田川の虎石にせよ、八瀬の巣立真黒にせよ、 一体どれほど調査研究が行われただろうか。
そもそもこういったありふれた石に対し、特段の興味を示すのは水石などの愛石家であるが故であり、鉱物学的に希少でもなければ、 資源開発的にも有益でない石に対し普通はまず調査研究される訳がないのだ。 愛石家が好む石に対し、堆積岩、変成岩といった分類以上に踏み込もうとするなら、自ら調査研究を行うか、または調査資金を投入するしか方法はないように思える。 白山紋石についても同様に、これまでのところ学術的な価値はさほど認められてこなかったようである。
話を元に戻して白山紋石。白山紋石について詳しい文献がないことは前述のとおりだが類似の石には先の飛騨紋石、岐阜県は飛騨の小鳥川流域から産する竜紋菊花石がある。 白山紋石と飛騨紋石の違いはよく分からないが竜紋菊花石は独特の模様であり見分けがつきやすい。 それは大きさこそ違えどナポレオン石というか、顕微鏡でミドリムシを観察したような、まるで何かの化石のような特徴的な模様である。
白山紋石は、球顆流紋岩であるがその球顆の生成過程の差によるものなのか、模様にはバリエーションがある。 菊、小菊、孔雀、牡丹、花火(パチパチとも呼ばれる)といった具合にである。
白山紋石‐壱
こちらは白山紋石の花火(パチパチ)に近いものの、個々の花火が連なって藤の花のようでもある。
白山紋石‐弐
こちらは白山紋石ということで入手したが、模様は竜紋菊花石のように何かの化石のようでもある。
白山紋石‐参
こちらは表と裏で、色が異なる白山紋石。一方が赤系でもう一方が緑系。バイカラーである。
竜紋菊花石‐壱
こちらは竜紋菊花石。花模様もあるがそれ以外に生物の化石のような模様が多いことが分かると思う。
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