蛭川石
蛭川石
蛭川石(ひるかわいし)若しくは、蛭川御影石(ひるかわみかげいし)は、岐阜県中津川市蛭川(旧蛭川村)周辺で採れる花崗岩。なお、花崗岩は各地で見つかる一般的な石材であるが、蛭川の花崗岩は、白色だけでなく、特徴的な錆び色がある。ほかに白・黒・グレーが混在する黒雲母花崗岩や、赤茶色を帯びた恵那錆石、恵那みかげ、蛭川みかげなどがある。
中国をはじめとする輸入品の存在により現在は採掘されなくなっているため、希少価値が高まっている。
鉱物としての蛭川石
蛭川石は、花崗岩である。 なお、御影石は、良質な花崗岩質の石材を称する代名詞となっているが、蛭川の花崗岩も蛭川御影石と称される。
花崗岩は大陸を構成する岩石として一般的であり、各地で見かけることができる。 長石・黒雲母・石英・カリウム・ナトリウム・ケイ素・マグネシウム・鉄・二酸化ケイ素トリウム・ウランを含む。
蛭川石の効能
蛭川石も姫川薬石と同じくラジウム鉱石と記述されることがある。
産地や種類によって大きく異なるが、花崗岩は一般的にウラン、トリウム、カリウムなどの放射性元素を含むため、間違いではない。
花崗岩が地表に広く分布する西日本では放射線量が高くなる傾向があるといわれるが、花崗岩は御影石として建材に使われ、普段から接する機会も少なくないこと、また花崗岩からの放射線量は一般に人体に影響を及ぼすレベルではないとされていることからもその程度は微量と見なせる。
蛭川地域周辺にはウランやトリウムなどの天然の放射性元素を多く含む苗木花崗岩(なえぎかこうがん)が広く分布しているため、自然放射線量が比較的高いとともに、花崗岩に含まれる放射性元素が溶け出した結果、国内有数のラドン含有量を誇るローソク温泉(湯之島ラジウム鉱泉)や岩寿温泉、東山温泉といった放射能泉(ラドン泉)が湧出している。
花崗岩のなかに水晶などの結晶を含むペグマタイトが存在する場合がある。
岐阜県苗木地方は、日本三大ペグマタイト産地のひとつであり、ここの水晶は地中の天然放射線を浴びることで黒色(モリオン)や煙色(スモーキークォーツ)に変色しているものが多い。
蛭川石といっても姫川薬石と同様、石によってほとんど放射線を放射しないものもあるので、注意が必要である。
経験的な蛭川石の効能は、ホルミシス効果というごく微量の有害物質やストレスが、かえって生体に良い影響を与え、抵抗力や免疫力、自然治癒力などを高める現象による健康効果だと考えらえるが、慎重な見解もあることから鵜呑みにはしない方がよい。
蛭川石も姫川薬石同様、実際の利用に当たっては当然のことではあるが、あくまで自己責任に留めるのが賢明といえる。
蛭川石
蛭川石。少し錆び色が混じり黄色っぽくなっている。様々な鉱物が凝縮された感があり、美しい。
姫川石(左)と姫川御影石(右)を並べたもの。肉眼では蛭川石は黄色っぽく、姫川御影石はピンクっぽく見える。
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